看護師の業務はさまざまですが、環境整備も大切な業務の1つです。環境整備を怠ってしまうと、患者の治癒、回復が遅れてしまうかもしれません。
環境整備のチェックポイントは「明るさ」「室温」「音」「ベッドとベッドの距離」「ベッド周りの安全」です。特に気を付けたい部分について説明していきます。
まず、1つめのチェックポイントである明るさは、患者が眩しくないよう、また直射日光が直接当たらないようにカーテンなどで採光を調節します。2つめの室温は、温度だけでなく湿度にも気を使いましょう。夏場と冬場では、ちょうど良いと感じる室温は違います。目やすとして、夏場は温度22〜26℃、湿度45〜65%、冬場は18〜22℃、湿度40〜60%と覚えておきましょう。
4つのチェックポイントはベッドとベッドの距離です。距離が近すぎるとプライバシーが確保できず患者にとってストレスになります。ベッド間の距離は最低でも1mはあると良いでしょう。病室の床面積に関しては、医療法施行規則により明確に定められています。療養病床は1人あたり6.4平方メートル以上で、それ以外の病室は個室なら6.3平方メートル以上、大部屋の場合は1人あたり4.3平方メートル以上が必要とされています。この広さを確保することは法的な義務です。
最後にベッド周りの安全をチェックします。ベッド周囲の環境整備は、感覚的にあたりまえのことが多いので、それほど難しくありません。ベッド柵はきちんと上げておきます。ただし、患者の状態に合わせた環境整備が必要なので、体の側面が麻痺している患者には、麻痺していない方に柵をするなど工夫が必要です。ベッドの高さは患者が乗り降りしやすい高さに調節します。